title seaside friends(作品NO.032)


あの夜も、俺は砂浜に立っていた
この世に愛想が尽きたのだ、そういうことにしておいてほしい


しかし、やはり俺はその一歩が踏み出せなかった
恐かった… 黒く、ただ静かに俺を見つめ続ける波の声が


俺は涙で眼を遮ろうと試みた、しかし涙はとうとう出なかった
なぜだか分からない… 悔しさと悲しみの炎が波の声に合わせて心中で蠢く


振り返った、その視線の先にはひとつの宿
「運命」を共にしてきた「友」たちが、今は其処で寝息をたてているのだろう


俺はそうして「友」の元へ、また今夜も戻っていく
「助けられた」のは今夜で何度目だろうか、そう思って振り向いたとき


唐突に波は俺に問うた、その限りなく静かな声で
それは、誠の友か と  その友は、誠にそなたを救っているのか と


………


明くる朝、「夜」のことを知ってか知らずか、今日も「友」たちは笑顔で俺に話しかけてくる
今日も海が綺麗だね、と




〜あとがき
まぁ、今回のは分からん人にはとことん分からん話だわな。今回の話には一部実話がございます。…それが何処かはいうまい。
あ、分かった(と、思った)人は是非、ご連絡を。完全に「当たってた」ら粗品でも進呈するよ★

なおNo.32は以前(〜07/09/18)「偉大なる三輪車乗り」というものを公開しておりましたが、出来があまりにも悪いと判断したため、No.52分との差し替えを行ないました。ええ、元ネタはサ○エさんのタ●ちゃんですがなにか?