スイッチ

私は大切なものを人に預けてしまった。その人もそれももう戻ってはこないだろう。
全て自業自得。全て悪いのは俺。
俺が俺に会ったら俺は間違いなく俺のことを好きにはならないだろう。ましてや親友や恋人、家族になってほしくないだろう、いてほしくないだろう。


シャワーを浴びている間に一度電話があったらしい。でも、二度はかかってこなかった。その程度ということなんだろう。用事があって翌昼に帰らなくてはならないから、その旨は手紙にして廊下の目立つところに張っておいた。今夜は静かで平穏な家を満喫してほしい。




では、おやすみなさい。良い明月の夜を。