0と乗除の話、+α

ツイッターでもつぶやいたが、こんなスレまとめを読んだ。
「1×0=0になる理由が分からない」(http://vipsister23.com/archives/3667897.html)
たしかに、これを書いた今でもいわゆるゼロ除算、0で割る式についてははっきりと理解できてないもの(ヲイ
主に自分の確認用と、文章を書くリハビリを兼ねて、少し考えてみた。長いので、お暇なときにでもどうぞw




■0の絡む掛け算
皿にりんごを乗せ、皿単位で考える。
たとえば2*3だと、皿にりんご2個乗せが1皿(1セット)で、それが3皿あるから、りんごは全部で6個。スーパーで傷のついたわけありりんごを袋詰めにして安く売ってる売り場なんかを想像してもいいが、まぁ学生とか相手なら無難に前者のほうがいいかw


●0*1=0

皿にりんごは乗せない。そこにはりんごの乗っていない皿が1皿あるだけだから、りんごは0個。

●1*0=0

皿にりんご1個乗せで1皿。今ここには1皿もないので、りんごもなし、0個。

●0*0=0

皿にりんごは乗せない。そしてその皿もない。当然ながらりんごもなし、0個。


■0の絡む割り算
最初に断わっておくと、私は根っからの文系人間なので、ゼロ除算については門外漢です。もしも間違ってたら遠慮なくツッコんでください。
割り算では(別に皿でもいいのだが)箱を使おう。友人へりんごのお裾分け、持ち帰りやすいように箱に梱包して渡してあげることとする。
たとえば6/3、6個のりんごを3箱に分けるのだから、2個ずついれることになる。7/3なら7個のりんごを3箱に分けるのだが、2個ずつ計6個のりんごを仕分けたところで1個だけあまる。だから、7/3は2あまり1なのである。皿に分けて3人にその場で召し上がってもらうなら、最後の1個を3等分できるので1人当たりの取り分は2+(1/3)個(7/3個)になる。一度にそれだけ食べられるかはさておき。
割り算の例に使う式では、何となくその方が分かりやすいかと思い、0以外の数字は2にした。1人で分けるとか、なんかさみしいしw


●0/2=0

お裾分けしたい友人が2人いるが、残念ながらお裾分けできるりんごはない。そういうわけで、箱には1個のりんごも入らない(そもそも、箱が入り用でないw)。

●2/0と0/0について

いわゆるゼロ除算、0で割ること。電卓などでやってみると、エラーが出るか0をとりあえず表示するはず。さっきまでの調子で、文章で説明してみたが、ぶっちゃけ、体育座りで泣きたくなるような世界観になってしまった。
「2/0」から。りんごを2個あまらせてしまったので、友人にお裾分けしたい。……でも、ちょっと待て。俺に、友人なんて、いたっけ……。そんなさみしいをこの数式は表している。「友人1人当たりに何個詰めて送ろうか」という問いに、涙で答えるしかないのである。
では、「0/0」はどうだろう。りんごもネェ、友人ネェ、まったくあるのはオラ1人。つい吉幾三のリズムに乗って口ずさんでしまいたくなるような惨状。質問者の言い間違いでないならば、質問者は頭を打ったか禅問答をしてきた坊主のどちらかだろう。
ぶっちゃけ、グーグル先生に聞いてみたがよく分からなかった。「実際問題、こんな計算式どこでも使わんがな」と、見たサイトは口をそろえて言っていた。たしかに。


以上、掛け算や割り算を習いだした小学生にも分かるように努めたが、どうだろうか。
では、昔にどこかで読んだ文を参考にそれを少し発展させた、掛け算の教え方についてを最後にもうひとつ。

小数や分数の絡む掛け算について。2*3=6は、上のりんごと皿の例で説明できるが、たとえば3*(7/3)=7なら、どう教えればいいだろう。3個のりんごが乗った皿が7/3皿ある、は現実的でないし、イメージできない。では、今度は何を例にすれば分かりやすいだろう。
どこぞで読んだ文では紐の量り売りを例にしていたので、そのアイデアを頂戴したい。
とある店では3m単位で紐を売っている。そこに常連の仕立て屋が来て「今日は紐が足りなくなって来たわけだが、注文量が中途半端で申し訳ない」。どれほど欲しいのか聞くと、「1つの品を仕上げるのにちょうど3m必要で、製品2つ分がまるまる足りない。あと、新人がミスをしてしまって、これが半端分になるのだが、製品全体に使う量の1/3だけ、余分に欲しい。だから全部で3mを7/3個分売ってほしいのだが……」
いやしかし、いちいち計算式ひとつにこれだけのことを考える時間も惜しい。概念さえ一度理解してしまえば、自分で分かりやすいように式を変形してしまえば、考えることも少なくて済む。たとえば、分数を分母と分子で分けるとか。
3*7/3。ひとまず3mの紐を7セット分出してもらって、それを1本にしたあと、3等分にしたうちの1つだけを買い求める。店にとっては甚だ迷惑な話だが、空想の話なのでよしとしよう。最近は見なくなった帯分数(初等教育ではまだ教えてるのかな?)だと店に優しく、3本目に出してきた紐だけを3等分して短いのを1本と長いまま(1セットもの)のを2本、これら3本を御愛想してもらえばいいわけだ。
(7/3)*3なら、7mのものが3等分に切られた紐を3本買うから、元の鞘に戻って7m、×の前後がともに少数や分数の式は説明しづらいが、もうここまでの概念が理解できたならいいんじゃないだろうか(と、最後の最後に少しサボってみる)。どうにも困ったら全ての数字を分数にして、分子同士を掛けた数から分母をどんどん割っていけばいいのである。細切れになった商品を前に紐屋が泣くことになるが。


……こんなんでどうですかね、皆さん。